この赤はインディアン・レッドの色調で、酸化鉄から作られた顔料でインディアン・レッドと同じように作られる。英語の色名としてイングリッシュ・レッドが初めて使われたのは1700年代(正確な年は不明)。1765年のドゥニ・ディドロの百科全書では、インディアン・レッドの別名に 「what one also calls, however improperly, English Red 」が含まれていた。
ベネチアンレッドは、赤の色合いを濃くした、軽くて暖かい(やや不飽和)顔料で、ほぼ純粋なヘマタイト型の酸化第二鉄(Fe2O3)に由来する。歴史的には、ベネチアン・レッドはイタリアのルネッサンス絵画でよく使われた赤土色である。最高品質の顔料がトルコ北部のシノップ港から産出されたため、シノピアとも呼ばれた。15世紀のイタリアの画家で作家のチェンニーノ・チェンニーニが、その絵画ハンドブック『Il libro dell'arte』の中で記述したシナブレーゼと呼ばれる顔料の主成分であった。ベネチアンレッドが英語の色名として初めて使われたのは1753年のことである。
赤紫は、2005年に出版されヒスパノフォンの領域で広く親しまれている色辞典、ロサ・ガジェゴとフアン・カルロス・サンスによるGuía de coloraciones(色彩の手引き)でRojo-Purpura(スペイン語で「赤紫」の意)と呼ばれている色である。赤紫」は英語ではあまり使われない色名だが、スペイン語では紫の主要な色調のひとつとされている。